「ウチには来るな!お前のタメにならん」
M.ando
母親の3回忌が過ぎた頃、体も元通りになり、また仕事したい野望が芽生え、心身ともに第2回目の夢を追いかける旅にでれるまでになった。
まずは田村会長の設立したティックワールドに入れてもらおうと神戸まで会いに行った時に言われたコトバである。
「ウチには来るな!お前のタメにならん。よそに行った方がいい」
テーブルメーカーとして設立し、やっと製造会社として生まれ変わったタイミングだった事もあり、今この会社に入ったら雑用やら事務やら現場作業やらと、そういう使い方しかできない。だから私のためにならないから別の会社に就職した方が良い、という意味だった。
会長の気持ちは嬉しかったが、当時の私には焦りもあり、何よりも仕事ができない方がつらい。
他の会社を探して迷っていた時に連絡をもらった。
「東京に行く気はあるか?紹介したいところがある」と。
東京の百貨店問屋さんで、靴業界では1,2を争う規模の会社の企画に空きがあるという。そこの会社と取引をしていた会長が私を推薦してくれ、面接し、あっという間に採用が決まった。
新しい靴業界でのスタートだ。
私はどこでも構わない。また仕事ができるなら。
熱い想いを胸に抱き、靴の企画として再スタートした。
この頃から私にとっての田村会長は、「上司」ではなく、いろんな意味で「師」として尊敬する存在になっていた。
・・・つづく
神戸こぼれ話
「箸が転んでも笑う」
企画のお兄さんたちと居酒屋へよく行ってた時の話。
とにかく関西人同士のおしゃべりを聞いてるだけでおもしろくて一人笑い転げていた。
そうしたら一人のお兄さんが「よう笑うなぁ。箸が転んでも笑うんちゃうか」と言った途端、なんの打合せもしていないのに数人が使っていた箸を転がし始めた!
その姿とタイミングが私の笑いた虫に直球でささり、もう笑いがとまらない!
「ホンマのことやってんなぁ」と感心していた。
いやいや、おかしいのは箸じゃないからぁ。