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会長と私の靴奮戦記 Vol.10
2022.02.20 | column

「ヨーロッパ、一人で行って来いや」

M.ando

 

2回目の神戸での就職。

懐かしい神戸に戻ってきたのだ!

しかも田村会長の会社だ。

期待に胸を膨らませて新生活がスタートした。

 

その頃会社は順調に業績を伸ばしていた。

会長は次の一手を打つためにヨーロッパの情報が欲しくてたまらない。でも自分は行く時間がない、ということで、パリに一人で行っていた私にこういったのである。

「ドイツの国際展示会が良いらしい。ドイツ、パリ、イタリアに10日間やるから行ってこんか」

 

軽く言うなぁ。

パリ3日間と3か国10日間では違わない?

でも…

 

「笑顔と度胸」だけでパリに行っていた私。

どうせしゃべれないならどこも一緒やな。

そんな開き直りで、「イイッスよ」と軽く決まった。

 

ドイツは全くの初めて。

しかも展示会場であるデュッセルドルフはホテルがとれず、近くの「ケルン」にホテルをとったから、と。

ドイツに行って、電車通勤しろと。

佐賀県に宿泊して、福岡ドームのホークスの試合を観戦しに行く、みたいな感じ?

しかも3日間。さすが関西人、笑わせよんなぁ。

 

そんなこんなでなんとか10日間ドイツ、パリ、イタリアと回ってきたが、何と言っても朝5時くらいにかかってくる会長の電話が一番の思い出。

 

「ボンジョルノ」と、どの国にいようが、なぜかイタリア語で挨拶をする会長。

そして必ず「なんや寝とったんか」の一言。「時差を考えてくれ!」と言っても聞く人ではなし。

「はぁ、はぁ」と寝ぼけた対応の私。

「〇〇の店に行ったか?」

「××の靴は絶対見とけよ!」

「サンプルは買ったか?」

「木型の変化はあるか?」

「△△に行ってサンプル買ってきてくれ」

結局目が覚めて、東京の会社で培った朝のウィンドゥ写真撮りに出かけるのである。

 

あの10日間はしんどかったけど、度胸がついたのは間違いない。

 

ドイツこぼれ話

「やってもうた!」

 

初のドイツは、まず夜にケルンに着いたが、タクシーでとにかくホテルへ。

朝はホテルをでて、初めて見るケルンの駅まで電車があるよと聞いたので路面電車に乗る。

あれよあれよと満員電車に押されて乗り込み、そしてあれよあれよと駅で押されて降り立った。

フー、やれやれ。って、私お金払ってない!

やってもうた!ドイツの皆さん、ごめんなさい。