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会長と私の靴奮戦記 Vol.16
2022.04.03 | column

「俺が悪かった!」

M.ando

 

怒涛のように月日は流れ、気が付いたら佐賀に来て10年以上経っていた。

 

店舗もスクラップ&ビルドを繰り返し、約40店舗ほど出店し、10店舗に落ち着いた頃。

 

会長はイライラを私にぶちけまけるようになった。

どうやら以前のような必死さが感じられない私にイラつき、また自分が先頭を切って走ってきた頃のように時代の流れが見えなくなってきたことにイラついていたようだ。

私にだけ当たり散らすしんどい日々が続いていた。

 

そんなある日。

 

幹部3人に、これからの時代に向けての会社の組織づくりを考えて発表しろ、とのお達し。

 

発表当日。

「安藤は最後や!」と、相変わらずのキツイ言い方。

私は今からの時代にあった組織づくりを考え、新組織案を提案した。

それに対して会長は黙って聞き、たった一言。

「よし、それでいく。安藤が中心になってせぇ」と全面的に私の案を取り上げてくれたのだ!

 

そしてその日の夕方。

帰ったはずの会長から電話があり、「一杯やろう」、と私を居酒屋に呼び出したのである。

そしていきなりテーブルに手をつき頭を下げてこう言った。

 

「俺が悪かった!お前がここまで考えているとは思わんかった」

「俺は嬉しいんや!お前と飲みたかったんや」

 

なんという最高の賛辞だろう!

 

私は涙目になって「ありがとうございます」と二人で乾杯した。

その日は「上手い酒やぁ」と何度も乾杯し、私の案の発想経緯など質問責めにし、大いに語り合った。

 

やっぱりこの人には勝てない。

どこまで憎たらしいんだ。

きっと私はいつまでもこの人の背中を追い続けるんだろうなぁ。

その時は漠然とそんな事を考えていた。

 

それから数年後、会長は私に更なるステージを用意していた。

 

2017年1月、私は社長に就任した。

 

20歳で出会ってからいくつものステージをクリアしてきて、また新たな、しかも特大のステージを準備してくるとは!

 

もう、これで最後にしてくださいよ、会長!

 

・・・おわり

 

 

コラムこぼれ話

 

スタッフから、「会長と社長の歴史を書いて欲しい」と言われスタートしたこのコラム。

読むのは好きだが書くのは苦手だし、第一、誰が読んでくれるの?

と思いつつ、会長の現役を知らないスタッフに知ってもらえるチャンスかも。

そんな気持ちでスタートしました。

 

有難いことに「読んでいます」と言ってくださる方が社外にもおられ、恥ずかしいやら嬉しいやら。

たくさんの優しいコトバに励まされ書き続けることができました。

この場を借りて読んでくださって方々に感謝いたします。

ありがとうございます。

 

そして何より会長のことを少しでも皆様に知ってもらえたことに喜びを感じています。

 

もっと会長を知りたい方は個人的にご連絡ください(笑)