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会長と私の靴奮戦記  Vol.11
2022.02.27 | column

「ジャンボをいじめるな」

M.ando

 

神戸の事務所に出社して驚いたのが、白熊のような大型犬がお出迎えしてくれたことだ。

今は亡き、店舗名になった看板犬「ジャンボ」との初対面である。

 

とにかくデカい。

でも白いモフモフで、可愛いったらない!私は一目でメロメロになった。

 

飼い主である会長は、どこへ行くにもジャンボを連れていく。

当時佐賀と神戸を行ったり来たりしていたが、車に乗せて5時間陸路を走っていくのである。それくらい可愛いがっていた。

 

私が事務机に座って仕事をしていると、脇の下からジャンボの顔がヌッとあらわれて、「あそぼ」と寄ってくる。

でもデカい犬はよだれも半端ない。

気が付いたら私の服と手は、白い毛とよだれにまみれている。

だから近づいてくるとよだれ拭き片手に、「今はだめ!」「来ないで!」と大騒ぎ。

その声に反応して会長から「ジャンボをいじめよる」と言われてしまうのだ。

 

でもこのジャンボ君は新店舗がオープンする時、必ず入り口にお座りしてお客様をお出迎えしてくれる。飼い主に似ず、穏やかで、撫でられるがままじっと座ってくれているので、みんな大喜びで群がって触っていくのだ。

愛情を注いで大きく成長したジャンボのように「愛情を注いで大きく育て、可愛がってもらえるように」との会長の想いで、「靴工房JUMBO」としたのである。

 

天国からジャンボは今の私を見て、「もっと愛情注いで、大きくしてくれ。そんなんじゃ可愛がってもらえんよ」と嘆いているだろうな…

ごめんね。頑張るからね。

・・・つづく

 

ジャンボこぼれ話

「お前はジャンボの散歩に行ってこい」

 

会社の人たちがゴルフをするということで、ゴルフをしない私は面白がってついて行ったのだが、会長に「ちょうど良かった。ジャンボの散歩に行ってこい」と言われ、ゴルフ場の周りの敷地をジャンボの散歩をさせられたのである。

会社の中での私はどうやらジャンボより下らしい。

「ジャンボ先輩、散歩させていただきます」

少し卑屈になった私は、飼い主の帰りをスーパーの前で待っている繋がれた犬の気分(笑)

「ゴルフ場を歩いてみたかった!カートにも乗ってみたい!みんな早く上がってきて!お昼たべたい!」ジャンボに愚痴をこぼし続けていた。

ゴルフ場を見るたびにジャンボの散歩を思い出す。

追記:会長の名誉のために一言。昼食後の後半はちゃんとゴルフ場デビューをさせて頂きました。