「ジャンボをいじめるな」
M.ando
神戸の事務所に出社して驚いたのが、白熊のような大型犬がお出迎えしてくれたことだ。
今は亡き、店舗名になった看板犬「ジャンボ」との初対面である。
とにかくデカい。
でも白いモフモフで、可愛いったらない!私は一目でメロメロになった。
飼い主である会長は、どこへ行くにもジャンボを連れていく。
当時佐賀と神戸を行ったり来たりしていたが、車に乗せて5時間陸路を走っていくのである。それくらい可愛いがっていた。
私が事務机に座って仕事をしていると、脇の下からジャンボの顔がヌッとあらわれて、「あそぼ」と寄ってくる。
でもデカい犬はよだれも半端ない。
気が付いたら私の服と手は、白い毛とよだれにまみれている。
だから近づいてくるとよだれ拭き片手に、「今はだめ!」「来ないで!」と大騒ぎ。
その声に反応して会長から「ジャンボをいじめよる」と言われてしまうのだ。
でもこのジャンボ君は新店舗がオープンする時、必ず入り口にお座りしてお客様をお出迎えしてくれる。飼い主に似ず、穏やかで、撫でられるがままじっと座ってくれているので、みんな大喜びで群がって触っていくのだ。
愛情を注いで大きく成長したジャンボのように「愛情を注いで大きく育て、可愛がってもらえるように」との会長の想いで、「靴工房JUMBO」としたのである。
天国からジャンボは今の私を見て、「もっと愛情注いで、大きくしてくれ。そんなんじゃ可愛がってもらえんよ」と嘆いているだろうな…
ごめんね。頑張るからね。
・・・つづく
ジャンボこぼれ話
「お前はジャンボの散歩に行ってこい」
会社の人たちがゴルフをするということで、ゴルフをしない私は面白がってついて行ったのだが、会長に「ちょうど良かった。ジャンボの散歩に行ってこい」と言われ、ゴルフ場の周りの敷地をジャンボの散歩をさせられたのである。
会社の中での私はどうやらジャンボより下らしい。
「ジャンボ先輩、散歩させていただきます」
少し卑屈になった私は、飼い主の帰りをスーパーの前で待っている繋がれた犬の気分(笑)
「ゴルフ場を歩いてみたかった!カートにも乗ってみたい!みんな早く上がってきて!お昼たべたい!」ジャンボに愚痴をこぼし続けていた。
ゴルフ場を見るたびにジャンボの散歩を思い出す。
追記:会長の名誉のために一言。昼食後の後半はちゃんとゴルフ場デビューをさせて頂きました。