「説教しとるんやないんや!」
M.ando
田村会長にはよく飲みにも連れて行って頂いたが、とにかくお説教好き。
北九州弁と関西弁が混じったこの言葉を言うのである。TPOなど一切関係ない!私はいつの間にかこれも業務の一環のような気さえしていた。
そんな会長とヨーロッパ出張にも何度も行かせて頂いた。同行したことのある人はみんな口を揃えて言うのは、「美味しいイタリアンが不味くなる日が必ず2日はある」だ。
日中イタリアの靴屋さんでサンプルとして購入した靴を夕食のレストランのテーブルの上に置き、熱く語りだし、ヒートアップして、こちらの返答次第でいつの間にか説教タイムへと突入するのである。
そのあとホテルについても同じだ。買った商品を部屋に並べて語りだす。
何人で行こうが、一部屋に集まりとにかく靴談義。
眠いんですけど、と心の中でぼやきつつヨーロッパ出張は続くのである。
「説教しとるんやないんや!」
「それを説教って言うんや!」と、いつか言い返してやろうとずっと思い続けて頑張れた。
若い頃の思い違いや視野の狭さ、そして無駄なプライドをズタズタにしてくれたからこそ今があるのだと思える。
若い時に鼻をへし折ってもらえる人との出逢いに感謝しかない。(と言いつつも、あれはやり過ぎやった、と今でも思っているのは私一人ではないはず(笑))
つづく
神戸こぼれ話
「仕事がハードな時ほど笑わな!」
当時の企画という仕事の中で展示会の前1、2か月はハードスケジュール。休みもなく残業が続き、日々靴を作り続ける。当然気が滅入ることもあればおかしくなる時もある。疲れがピークになる頃、愉快な企画のお兄さんたちはいろんな遊びをぶち込んでくる。
広い一つの企画室の中は4つの事業部を高いパーテーションで区切っていたのだが、残業中、どこからか輪ゴムが飛ばされてくる。それが合図で一斉に輪ゴム戦争が始まる。(このおかげで私も指で輪ゴムを飛ばせるようになった)
そして数分後「もうやめて仕事に戻ろう」という言葉のかわりに白旗をどこかの事業部が高く掲げる。
終わりの合図だ。
これはほんの一例で残業が続く時には何かしらのお楽しみが舞い降りてくる。そしてこういうのでる。「仕事がハードな時ほど笑わな!」
その教えは今も私の中で生きてるのよねぇ。